プレミアムフライデーが定着しない理由と個人消費が増えるには

2月24日でプレミアムフライデーが導入されてちょうど1年がたちました。認知度は9割に達する一方で、実際に早く帰れている人の割合は1割ほどしかいないそうです。国民の消費活動を刺激することが目的だったはず。これではお世辞にもうまく行っているようには見えません。今現在プレミアムフライデーのおかげで早く帰れるのは大企業に勤めていてお金をたくさん持ってる人だから、1割しかいなくても経済効果はあるとでも言うのでしょうか。

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そもそもプレミアムフライデーとは

毎月最後の金曜日に仕事を早く切り上げて15時で退社しましょうという取り組みです。みんなが空いた時間に食事や買物でお金を使うことで景気を刺激することが狙いで、2017年2月24日の金曜日に始まりました。アメリカのブラックフライデーがヒントになっているそうです。日本で長らく続く長時間労働を見直すきっかけを作ることも狙いです。

効果はあったのか

デパートや百貨店ではプレミアムフライデーにあわせてイベントやキャンペーンを行ったりしたところもあります。売上、入店客が増加したところもあったようですが、実際に利用するのは主婦と高齢者ばかりという声もあるようです。早く帰れている人が1割しかいないんだから当然かもしれません。

経済的な面とは別に、個人の自由な時間が増えること自体は良いことだと思います、働きすぎと言われている日本人にとっては。ただ何度も言うように1割しかいないんです。

制度を導入できるかどうか業界や部署によって差がありすぎる

プレミアムフライデーの当初の狙いに従えば、飲食業や小売業はこの時期こそ忙しくなるのです。物流業界やインフラ関連の業界も一斉に休みになったら大変なことになります。仕事を先延ばしにしても良い部署なのかどうかでも違ってきます。

景気を刺激することだけが目的なら、休める業界だけが休んでそこでお金を使ってくれればいいとなるかもしれません。

それによって飲食業や小売業で働く人の賃金が多少増えるかもしれませんが、忙しくなって賃金が増えるのは良いことなのでしょうか。商品の価格競争が激しく、低時給と言われる業界なので、働く時間は変わらずに賃金だけが増えることが理想です。

格差社会と言われる中、お金が流れるきっかけを作れたとしても、余暇の取り方にまで格差を生み出しかねません。

本当に消費が増えるのか

プレミアムフライデーの日にはみんなの財布の紐が緩んでお金が使われたとします。でも給料が増えたわけではないので、飲みに行くにしても映画を見るにしても、別の日に使うはずだったお金がその日に使われただけにすぎないというケースが考えられます。

金曜の夜から旅行に行こうとする人は、プレミアムフライデーがなくても有休と土日を組み合わせて行きます。たった3時間早く帰れることでできることなんて限られてますし、そういうことは通常の休みの日にもできます。

3時間というのが中途半端すぎるのです。仕事上がりに呑んだくれるおっさんが考え出した陰謀と思えてなりません。時間を与えることで本当の意味での消費を促すにはゴールデンウィークレベルの連休が必要です。他のときにはできないことができるというのが大切なのです。

給料への影響

3時間早く上がったことでその時間分の賃金は差し引かれるのかどうかは労働者にとっても経営者にとっても重大です。この問題に白黒つけるはっきりとした法律は今のところなく、会社ごとの判断によるようです。

早く上がった時間分の賃金を差し引かなかったとしたら、経営者にとっては嬉しくないことでしょう。かと言って賃金を差し引けば、消費活動につながるとは思えません。こんな制度が流行る訳ありませんね。

本当の意味での消費を増やすには

プレミアムフライデー自体は流行らないと思いますが、視点を変えて、当初の目的だった消費を拡大するということについて考えてみました。

①給料を増やす

身も蓋もない話ですが、最も単純な方法です。ただ現実的には給料だけをいきなり増やすのは困難です。卵が先か鶏が先かみたい話ですが、みんなの給料を上げるためには景気が良くなることが必要で、だからプレミアムフライデーを導入しようという流れがあることを踏まえれば、この方法は話になっていないというか的外れです。

どうすれば給料を上げることはせずに、先に景気を良くしてその結果として給料を上げられるかを考えなくてはいけません。

②余暇の時間を増やす

プレミアムフライデーはおそらくこの考えに基づいています。働く時間でのせいで消費活動に当てられる時間が十分に取れていないので、余暇を増やすことでお金を使いやすい環境を作ろうということです。

ただ上でも書いたように、プレミアムフライデーでお金を使いやすい環境を作るには、取れる余暇の時間が短すぎます。たった3時間でできることというのは所詮、他のときにでも十分できることなので、所持金が変わらない中では消費のタイミングをずらす程度の効果しかないように思えます。

ある程度まとまった長い休暇を作ることで、このときにしかできないことをやろうとする人達による「本当の意味での」消費拡大が生まれるかもしれません。

③貯金をはたいてでも買いたくなるような商品を生み出す

経済活動そのものですが、今まで存在しなかったたけれど突然現れ、広く普及し多くの人にとって無くてはならない物になった商品はたくさんあります。

車、パソコン、スマートフォン、永久脱毛のサービスといったものは、人によって違いはありますが今の生活には欠かせないものになっています。しかし昔はなくても生活できていたのです。

こういうものが世の中に現れたときの経済効果ははかり知れないです。また社会現象になるくらにヒットする映画やゲームもブームがすぎれば冷めてしまいやすいですが、こちらもかなりの消費拡大に貢献できます。

生活スタイル自体を変えてしまうものや大ヒット商品を生み出すことは当然容易ではありません。何がヒットするかなんて基本的には予測できないものだと思います。予測できないだけに今までのやり方、常識にとらわれていてはいけません。新しい発想のもとでいろんなチャレンジがしやすい環境を作っていくことが、長い目で見たときに景気に良い影響を与えると思います。