男性の体でも女性ホルモンで女性化できる?その方法について紹介

女性ホルモンは、女性らしい体をつくったり、生理や妊娠に関わるさまざまな機能を活性化させるもので、女性にとって無くてはならないものです。

一方で、男性の体として生まれながら、女性として生活することを望む性同一性障害の人にとっても女性ホルモンはとても大切なものなのです。

ここでは、そんな性同一性障害やトランスジェンダー(MtF)と呼ばれる人たちが女性ホルモンを使ってどうやって女性化していくのかについて紹介していきます。

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女性ホルモンで男性の体が女性化する?

体が男性であるMtF(male to female、男性から女性に性別を変えて生きる人)は、自身の体内では女性ホルモンをつくることができません。

そのため、女性化させるには体外から女性ホルモンを入れる必要があります。男性の体だからといって、女性ホルモンが作用しないわけではなく、ホルモンの作用を受ける体の部分というのは男女で変わりはありません。

具体的にどこがどう変化するかについては以下の記事をご覧ください。

変化と経過について【体が男性の人に女性ホルモン投与】

女性ホルモンの種類

女性ホルモンには、大きく分けてエストロゲンとプロゲステロンの2種類があるのですが、それぞれ働きが違います。

女性らしさにつながるエストロゲン(卵胞ホルモン)

何を持って女性らしいと言うかはいろいろあると思いますが、エストロゲンには、女性特有の丸みのある体をつくったり、髪や肌をキレイにしたりといった作用があります。

こういった作用は女性としての美しさに直結することなので、女性にとって嬉しいのはもちろんですが、女性化を目指すMtFにとっても何としても手に入れたいものなのです。

エストロゲンの種類

エストロゲンは更に以下の3つの種類に分類することができます。

エストロン(E1)
エストラジオール(E2)
エストリオール(E3)

これら3つは、分子の構造もよく似ているのですが、作用の強さが違います。

エストリオールがこの中で生理活性能が最も弱く、エストロンはエストリオールの5倍、エストラジオールはエストリオールの10倍の強さがあります。

MtFが女性化するのに用いられるのは基本的には作用が一番大きいエストラジオールなのです。わざわざ作用の弱いものを使う意味がありませんからね。

プロゲステロン(黄体ホルモン)

女性では、生理周期の中で排卵が終わってから、次の生理が始まるまでにかけて多く分泌されるホルモンです。

嬉しくない作用

妊娠に大きく関係する働きがある一方で、体がだるくなったり、むくみやすくなる、精神的に不安定にさせたりと嬉しくない作用もあるのです。

そんなことから、ブサイクホルモンという異名があるくらいで、妊娠することがないMtFにとっては恩恵がないと言えるかもしれません。

血栓症を抑えてくれる働きも

卵胞ホルモンには血栓症を引き起こす作用もあるのですが、黄体ホルモンにはそのリクスを抑えてくれる働きもあるのです。

そうした理由から、MtFの女性化においても卵胞ホルモンだけでなく黄体ホルモンも使われたりするのです。

男性の体に女性ホルモンを投与する方法

投与する方法として、ホルモン剤を注射で体内に注入したり、錠剤になったものを飲む、他には塗り薬や貼り薬という形で皮膚から吸収させるといったものもあります。

注射

産婦人科をはじめとした医療機関や美容クリニックで受けることができます。だいたい2週間に一度のペースで打つので、継続して通う必要があります。

ペラニンデポーやプロギノンデポーと言った名前の製剤が有名です。注射なので、当然ですが痛みを伴います。

筋肉に注射することで直接、血中に薬液を入れることができるため、錠剤に比べて肝臓を通る回数が少なくすむので分解されにくいという特徴があります。また肝臓への負担も少ないです。

ホルモン濃度を一定に保つのが難しい

注射後の血中のホルモン濃度は時間が経ってもしばらくは持続するものですが、その持続時間には個人差があります。

2週間に一度のペースで打つよりは、1回に打つ量を減らして1週間に一度のペースで打つ方がホルモン濃度は安定します。通院代や診察代がバカにならなくなってしまうでしょうけれどね。

錠剤

風邪の薬と同じように、水といっしょに飲んで使います。手軽にどこでも使えるという便利さがあります。決まった時間ごとに飲めばホルモン濃度を一定に保ちやすいです。

医療機関で処方されて手に入れるか、もしくは海外で市販されているものを個人輸入で購入することが可能です。日本ではこういった薬は市販が認められていないのです。

肝臓への負担

ホルモン剤に限らず内服薬というのは、全身に流れる前に肝臓を通って、そこで害の少ないものに分解するという過程を経ます。そのため、注射に比べて分解に強いホルモン剤を用いたり、頻繁に飲まないと効果が持続しないものなのです。そういったことで肝臓に負担をかけてしまいやすいというデメリットがあります。

塗り薬、貼り薬

皮膚の表面に塗ったり貼ったりしておくことで、成分が皮膚を通って吸収されます。

上の2つに比べるとメジャーではありませんが、注射と同様に肝臓による分解を受けにくく、また肝臓にも負担が少ないです。

ホルモンの血中濃度が高くなり過ぎることはなく、作用は比較的穏やかで安全と言われています。

さいごに

女性ホルモンでどこまで変化できるかは個人差がけっこうあるものですが、基本的には思ってるほど変わらないことがほとんどだと思います。

女性として認知されやすいかどうかというのは、どちらかと言えば、生まれつきの容姿にかかっていると言っても過言ではないというのが現実です。