私は、2007年頃から女性として生きることを目指して、メイクやボイストレーニング等を頑張り、2014年頃からほぼ24時間、社会的にも女性として過ごすようになった性同一性障害者の一人です。
女性ホルモン投与も行い、体もやや女性的なものへ変化し、戸籍の名前も変更しているので社会的なパス度も向上しました。女性ホルモン投与については以下の記事をご覧ください。
そんな私が、男性として生活していた頃と、女性として生活している現在で日常や周囲がどう変化したかをご紹介していきます。
女装やMtF、女性化を目指している方にとって、パスできたら生活がどうなるのかの参考になれば幸いです。
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「そこのお兄さん」じゃなくて「そこのお姉さん」
メイクをし、女性的な服装をして仕事やら外出をしていると、 知らない人から呼ばれる時に「そこのお姉さん」と声かけられるようになりました。
男性として生活していた頃は『お姉さん』ではなく『お兄さん』だったので、最初は慣れませんでした。「お姉さん」って呼ばれても自分じゃなくて誰かを呼んでいるのかなと思ってしまいます。
現在では慣れましたが「そこのお兄さん」と近くで聞こえたら反応してしまいそうになります。
息子じゃなくて娘になる
一人暮らしの部屋を母と不動産屋で探した時「ここなら街灯もありますし、オートロックなので娘さんも安全ですよ」と店員さんが母に勧めることがありました。
小さい頃からずっと私は『母の息子』だったわけですから、娘さんじゃなくて、息子さんと言われるのが当然でした。
これも奇妙でなかなか慣れないものです。
試供品をよく貰う
年齢もあるかもしれませんが、男性として過ごしていると外出先で試供品を貰うことって無いんですが、 女性として生活するようになると試供品を貰う機会が多く、女性だけの特典なんてのも多いです。
例えば母とデパートの化粧品へ行くと、二人分の試供品を貰えたり。私はそんな高いのも使わないので母にあげて、母が喜んでいることがあります。
他にも、一応男性として(トラブルがあると困るので)ホテルの予約したのに、名前と服装や声が女性的だからか女性と思われて、美容関連の試供品を貰えました。
隣に女性が座り、男性は避けてくる
電車だと分かりやすく、私が座っていると隣には女性が積極的に座りに来るようになり、男性はなかなか来なくなります。
男性として生活していると逆で、女性が座っているとこには座らずに私の隣に来ることが多かったです。女性はなかなか座りには来ません。
声をかけられやすくなった
相手が女性に見えると話しかけやすいのか、 道を聞きに来る人がいたり、ナンパだったり、自分の話をしたがるおじさんに話しかけられたり、そんな経験が凄く多くなりました。
男性として生活していた頃は、そんなのは無かったのでビックリします。
男性が優しく、女性はちょっと冷たい
基本的に、どんな場面でも男性は優しくなりました。 顔や表情を見ているとよく分かります。男性が女性を見る時と、男性を見る時の顔って違うんですよね。
親しい間柄だとまた変わってきますが、 接客業だと、20代女性は丁寧なことが多いですが、40代女性辺りだと少しキツイ対応だなぁと感じることが多くなりました。極端な言い方をすると、見下されてる感。男性は随分と小さく優しくなりました。
男性として生活していると逆で、男性相手だと冷たい感じがします。その頃は、男性同士ならそれが普通だと思っていて、女性として生活するようになってからは、明らかに男性が優しくなるのでビックリしました。
女性差別と思えるような扱いをされることも
「これだから女は…」と言いたそうな事を言われたり、「女の子だから結婚すれば何とかなるよ(笑)」みたいな事を言われることもありました。
同じように生活していても、男性として見られるか、女性として見られるかで扱いが大きく変化することも珍しくありません。
薬局で「妊娠はしていますか?」と聞かれる
たぶん、妊娠していると出す薬にも注意が必要なんだと思いますが、薬局で「妊娠はしていますか?」と聞かれることがあります。
一応、問診票のようなものに男性と書いているのですが、名前が女性的なものになっているので、よく間違えられます。
「あのー…すいません、男性なんです…」と問診票の性別欄を指差すと、凄く珍しいものを見たような反応をされることが多いのが悩みどころです。
さいごに
外見も声も女性的に近づく程、仕事も周囲に性別の事を知られず、女性として埋没すると結構変わってきます。
尚、改名によりパス度が全然変わってくることもあるので、興味のある方は以下の記事もご覧ください。