変化と経過について【体が男性の人に女性ホルモン投与】

性同一性障害のガイドラインに沿って、2014年8月から女性ホルモンの注射を開始し、今年でホルモン治療歴が4年を経過しました。

ここでは男性の体に女性ホルモンを投与するとどういう変化が起こるのかについて解説していきます。トランスジェンダー女性(MtF)、女装、男の娘といった方々の参考になれば幸いです。

女性ホルモンを増やす方法、手段、その違い、また副作用や個人差などについては以下の2つの記事をご覧ください。

身体の女性化のための投与方法の種類やその違いについて
女性化は可能?個人差や副作用、後悔するのかどうか【体が男性の人に女性ホルモン投与】

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変わる部分

まずは変化する部分をご紹介していきます。

  • 大半は、Aカップ前後までしか大きくならない
  • 乳輪や乳首は女性サイズになる可能性あり
  • 乳輪の色が濃くなる
  • 母乳が出る人もいる

詳しくは以下の記事をご覧ください。

胸は大きくなる?膨らむ?【体が男性の人に女性ホルモン投与】

脂肪の付き方

外見的に分かりやすいのは『脂肪の付き方』の変化かもしれません。特に、 お尻、ふともも、二の腕あたりの変化が大きいです。

例えば、ホルモン投与もしていない男性の身体で、レディースのジーンズを履くとヒップ、ふとももの部分がスカスカになりやすいです。投与を続けるとこの隙間が徐々に埋まってきてピッタリになりました。

腰にも脂肪がつくので腰幅がやや広がります。男性体の腰幅は女性のものより狭いので、この変化は助かります。

黄体ホルモンを投与すると太りやすいと言われますが、女性の脂肪の厚みは男性の2倍くらいあるようですので、ある程度は脂肪がついた方がパス度は上がるでしょう。

  • キメが細かくなる
  • 少し白くなる
  • 少し薄くなる

私はアトピー肌なので少し荒れているのですが、それでも 投与前と比べると随分と綺麗になりました。肌のキメが細かくなるので手触りも変わります し、メイク時のファンデーションののりも変わります。

投与前はアトピー肌のせいもあって、素足を見せるのが凄く嫌だったのですが、綺麗になってからはその気持ちはかなり薄れました。同い年くらいの知り合いのMtFの人達の肌を見ると本当に綺麗で、一般女性のものと全く変わりません。

肌のキメが細かくなったおかげか、 やや白くなったように思います。

もちろん、ホルモンで肌が変わったとしても、 普段の肌ケアは怠ってはいけません。保湿や洗顔の質を変えるだけでも大きな差があります。

髪の毛

ホルモン開始年齢が21歳頃で現在は25。年齢によるものかもしれませんが、髪の毛が少し細くなったように思います。

以下の記事は一般女性向けのものですが、私も日常的に実践しているので、 体の女性化を目指していて地毛を伸ばしている方は是非ご覧ください。

いつも試している基本のヘアケアをご紹介!ゴワゴワした髪もまとまりのある髪へ?

ヒゲとその他の体毛

体毛は脱毛でもしない限り変わらないと思っていたのですが、 生える範囲が投与前の半分がそれ以下になり、伸びる速さが遅くなり、毛も細くなった ように思います。

ヒゲやワキの毛は手強いです。生える範囲も速さも、濃さも変わりますが、腕や足などの体毛に比べるとその変化は少し少ないかもしれません。

ホルモンだけでは、ムダ毛処理を怠るとモジャモジャになってきます。剃るのは肌に負担がかかりますし、剃っても毛根が黒く残って肌が黒く見えます。

本気で体の女性化を目指し、髭や手や足の毛を可能な限り薄くしたい場合は以下の記事でご紹介している『ケノン』を試すことをオススメします。

簡単自宅で本格脱毛ケノン!手強い男性の髭すら解決!あなたも美顔美肌になろう!

体全体的の太り具合にもよりますが、 ホルモンをすることで顔にも脂肪がつきやすくなり 、骨ばったラインが少し丸く柔らかいものへと変化していきました。

目の印象

歳のせいもあるかもしれませんが、ホルモンをして数年が経過して 目の印象も優しいものへ変化したように思います。

以前は少し濃い目のアイラインでも引かないと男性っぽさを消すのが難しかったのですが、現在は逆に濃いアイラインを合わせるのが難しく、普段は目尻のみほんの少しだけアイラインを入れるようにしています。

極端な話、 アイラインを全く入れなくても優しい雰囲気へと変化しているように思うので、化粧についてはかなり自然なものへなりました。

私が女性化メイクを気をつけていること、メイク方法やコツなどは以下の記事に書いてみたので、興味ある方は是非ご覧下さい。

普段女性として過ごし、女性化メイクを約10年経験して、個人的なコツと気をつけていること

筋肉と体力

筋肉は脂肪に変換されたのかな?と思うくらい減りました。また、筋肉はつきにくいです。これによって、ふくらはぎが柔らかい印象になった気がします。 筋肉が減るので投与前よりも重い物を持ったり、運んだりするのが大変になりました。

女性ホルモンを投与すると血液の成分も変化するようで、会社等の健康診断できちんと申告していないと検査にひっかかることもあるようです。ヘモグロビンも減るせいか、 少しの運動で息切れしやすくなりました。

重い物を更に重く感じたり、体力が減るのは少し惜しいですが、その代わり、重い荷物があると男友達が持ってくれることがあったので、良しとしておきます(笑)

血管

男性の体だと、特に手首や足首の血管、そして手の甲の血管がしっかりと浮きますよね。そういった浮きが無くなるので、外見の男性らしさが薄れました。

体臭

自分では分からないのですが、家族などから指摘されて知りました。男性特有の臭いは無くなるようです。

ただ、周囲の男性の体臭には敏感になったように思います。投与前はあまり気にならなかったのに、現在では男性の体臭がハッキリわかりますし、体臭の強い人のだとかなり精神的にくるようになりました・・・(笑)

個人差はあると思いますが、すれ違いや隣に座られた時に怯えなくても済みそうです。

熱っぽくなる時もある

注射を打った翌日から数日間は少し熱っぽくなり少しダルくなる時がありました。

子供をつくれなくなる

ホルモン投与を半年もすれば、 生殖機能が元に戻ることは無いと言われています。

精神面

男性の体に女性ホルモンを投与すると、時々聞くのが 更年期障害のような症状が出る ことです。女性ホルモンは身体に変化だけではなく、精神面にも影響します。その変化をいくつかご紹介します。

感情の起伏

一番大きいのは涙もろくなったことで、映画やドラマで感動的なシーンがあると高確率でウルッとなるようになりました。最近だとクレヨンしんちゃんの映画で少し泣きました(笑)

先程も書いたように、注射を打つことで精神面でも周期を少し感じられ、 注射を打った翌日から数日間はイライラしやすくなりました。 なので、その頃はよく一緒に住んでいる子と喧嘩しやすくなります(汗) 最近では、その不安定さを自覚しているので、その期間中はイライラしてもホルモンのせいだろうと思い、抑えています。

この感情の不安定さになれていない、ホルモン開始から1年、2年くらいは戸惑い、余計に不安定になるかもしれません。周囲からは変わったと感じられやすいかもしれませんが、なるべく孤立しないことをオススメします。

食生活

身体の変化に伴い、 食生活もやや変わった のでご紹介します。

味覚

ホルモン注射をする前はお菓子を滅多に食べませんでしたし、ケーキも甘ったるく感じていましたが、ホルモン注射をしてからは 時々無性にプリンが食べたくなるくらいに甘党になりました。

チョコ好きなパートナーの影響もありますが、チョコもよく食べるようになりました。

お酒

お酒に対して随分と弱くなりました。 女性は男性に比べてアルコールを分解できる量が少ないと聞きますが、その変化が現れるようです。

ホルモン注射前であれば、お酒は結構飲めた方でしたしなかなか酔わなかったのですが、現在ではコップに半分ほどで程よく酔えます。経済的でいいかもしれません(笑)

変わるかもしれない部分

以前、『女性ホルモンも投与しSRS(性別適合手術)も終えたMtFの脳の容量が減り、一般女性と同じだった』というような記事を読んだことがあります。もしこれが事実で、どの人にも当てはまるなら、ホルモンによる変化は凄まじいですね。

空間認識能力が下がったかもしれない

ホルモン注射開始年齢が20歳頃で現在は25歳なので、年齢のせいかもしれませんが空間認識能力が下がったように感じています。

よく、男性は空間認識能力が高く、ビルや地下街をウロウロしても方向は正確なことが多く、女性は空間認識能力がやや落ちるので地形などは景色や目印で覚えると聞きますが、まさにそんな状況に出くわすこともあり、空間認識能力が下がったように感じています。

ひょっとしたら脳の構造も変わるのかもしれません。

変わらない部分

ここまでで、開始年齢や体質によって個人差はあれど、女性ホルモン注射で変化する可能性のあることについて書いてきましたが、 女性ホルモンは万能ではありません。女性ホルモン注射をしても全く変化しない部分もあり、それをいくつかご紹介します。

FtMであれば、男性ホルモンを投与することで、ある程度まで声変わりするようなのですが、 残念ながら一度声変わりすると、それが元に戻っていくようなことはありません。

女性ホルモン投与で身長が低くなったり、顔等の骨格が変わらないのと同じように、男性的に成長した声帯や喉周辺の構造が変わることはありません。

更に低くなることは止められる

声が高くなることはありませんが、女性ホルモン投与せずにいると、声変わり後も声が男性的に更に低くなったり、おじさんっぽくなっていきます。

しかし、 適切な量の女性ホルモンを投与していれば、そこから男性的な方向へ変化することはありませんので、 更に低くなったりするのを防ぐことは出来ます。

声変わり前に投与開始すれば、声変わりしないことも可能なようです。

声の高くて女性的な人もいるのは、なぜ?

女性ホルモン投与で声が高くなることはありませんが、 声が男性からすると明らかに高かったり、女性的な声の人もいますよね。 女性としては低めですし、声質なども不完全ですが、私も一応社会的には声も含めてパス出来ています。

それらは、 ボイストレーニングしているから声が高くなったり、女性的な声に近づいているのです。

ボイストレーニングを長期間続けていると地声自体もやや高くなります。 高く女性的な声の発生方法を無意識にでも、少しだけしているからなのですが、ボイストレーニングをするとこういった変化もあります。

骨格

女性ホルモンを投与したからと言って骨格が変わることはありません。 なので、現在の肩幅が狭くなったり、身長が低くなることはありません。ただし、肉付きが変化するので骨格のラインはある程度ごまかされるでしょう。

もしかしたら、投与を開始してから歳を取ると、その成長は一般女性と同じかもしれません。つまり、 男性として身体が成長することはないでしょう。

基本的な性格

その人の基本的な性格が変わることはないでしょう。

ただし間接的には変わったと言えるかもしれません。感情の起伏はやや大きくなりましたし、投与前の不安感も無いので平穏です。それによって、周囲から見ると変わったように感じられるかもしれません。

さいごに

女性ホルモン投与を行うと子供をつくれなくなったり、一度変化した胸が元に戻らなかったり、不可逆的な変化がいくつも起こりえます。

興味本位で投与しないようご注意下さい。