算数と数学の違い

算数というと、日本では小学校で習うことが多いですよね。数学は中学に入ってから算数のグレードアップ版のように出てくることが大半です。お受験したりして私立の学校に通うとまた違ってくると思います。そんな算数と数学ですが、どう違うか考えたことはありますか。何やら難しくなったのが数学といった印象を持っていることが多いと思います。でも難しいかどうかだけで名前が変わるのも変ですよね。ここではその違いについて説明してみようと思います。

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算数

例として、浴槽に水をためる場合を考えます。蛇口は毎分4ℓの水が流れ、浴槽に水を36ℓためるには何分かかるかを考えます。

答えはお分かりの通り、36÷4を計算し、9分です。

四則演算

算数では、何かを考える時、当たり前ですが具体的な数字を持ち出して計算(足し算、引き算、掛け算、割り算)をし、数値を答えとして求めます。足し算、引き算、掛け算、割り算を全て合わせて四則演算と言います。

数学

一方、数学は具体的な数値を持ち出さなくてもよく、数量の間の関係、ここでは1分あたりの蛇口の流せる水量とその流す時間、浴槽にたまった水の量という3つの数量の関係に注目します。そこで「文字」を使います。

蛇口の流せる水量を毎分 x [ℓ] とします。[ ] はℓが単位だということをはっきりさせるために入れています。水を流している時間を t [分] とし、浴槽にたまった水の量を y[ℓ] とすると、

\( \frac{y}{x}=t \)

と書き表すことができます。

問題の答えは...

上の式に x=4、y=36と当てはめて、式を成り立たせるためのtの数値を求めます。結局36÷4を計算するということに変わりはないですし、t=9[分] を得れば上の問題については答えはここまでです。数学の良さはこの先にあります。文字の式で表したことに大きな意味があるのです。

文字の式の何が良いのか

文字の式で表したといっても、それがどうしたと聞こえてきそうですが、こんな風に表すと数量の関係がわかりやすいだけでなく、蛇口の流せる水量と浴槽にたまった水の量が特定の数値に限定されたケース(上の例だと4ℓと36ℓ)だけでなく、別の数値のケース(例えば5ℓと40ℓ)もたった一行の式で表現されていることになるのです。あらゆる全てのケースをひっくるめて表現しています。

一般化

あらゆる全てのケースをひっくるめて表すことを、数学の言葉で少し難しく言うと、一般化と言います。上の式は、蛇口の流せる水量と浴槽にたまった水の量、水を流している時間という3つの数量の関係を一般化した式といえます。特定のケースだけを考えるのではなく、同種のあらゆる全てのケースを一度に考えていることになるというところにありがたみがあるのです。こういった考え方は、証明問題で特に役に立ちます。

文字に置き換えただけで、あらゆる場合を考えていることになるというのがいまいちピンと来ないかもしれないですが、文字には適当に好きな数値を当てはめると考えてください。上の式だと、文字は3つなのでそのうち2つについて自由に数値を決めると、残りの1つの文字の数値は自動的に決まります。そうして決まった3つの数値の組み合わせは無数に存在します。

要するに...

特定のケースだけを考えるのではなく、同種のあらゆる全てのケースについて、その数量の間の関係を探ろうとするのが数学なのです。