本格的なチーズを楽しむのにオススメなチーズの種類を紹介

カルディのチーズコーナーに行くと、海外産のアルファベットだらけの珍しいチーズがたくさん並んでいるのを見かけます。小さい頃はチーズが苦手だったのですが、最近は匂いの強くないものなら美味しく思えるようになったので、いろんな種類に挑戦するためにいろいろ調べてみました。

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プロセスチーズとナチュラルチーズ

プロセスチーズ

スーパーとかでどこでも見かける普通のチーズです。プロセスチーズは、ゴーダやチェダーなどの複数のナチュラルチーズを加熱して溶かし、分離しないように乳化剤を加えて混ぜ合わせ、冷やし固めたチーズです。

加熱することで菌は死滅しているので、それ以上熟成が進むことはありません。味や風味を変化させることなく比較的長期間の保存ができます。

ナチュラルチーズ

名前の通り加熱処理をしていない発酵させてそのままのチーズです。牛や山羊、羊、水牛などの乳を乳酸菌などの微生物や酵素の働きによって発酵させて固めたチーズです。

チーズの中に微生物が生きているので時間が経つにつれて熟成し、味や外観が変化していきます。その変化が楽しめるのも魅力に一つです。

菌が生きているとは言え、その数はそんなに多くはないのでヨーグルトほどの整腸作用は無いようです。

ナチュラルチーズには、1000を超える種類があり、さらにフレッシュタイプとウォッシュタイプの2種類に分類されます。

フレッシュタイプ

熟成はさせずに、生乳を微生物か酵素の働きで固めた後は水分を抜いただけのチーズです。水分を抜かなかったらヨーグルトなんだとか。そのまま食べたりお菓子の材料に使われます。

フロマージュ・ブラン(Fromage blanc)

フランス語で「白いチーズ」という意味です。クリームやヨーグルトのような見た目をしています。牛の生乳を乳酸菌とレンネット(凝固剤)で固めた後、布袋や型に入れて水分を切ってつくります。

生クリームよりは脂肪分が少なくあっさりしており、ヨーグルトほどではない酸味が少しあるようです。チーズのような独特の匂いはなく、チーズが苦手な方でも食べられるチーズです。

フランスでは、脂肪分が少ないものは赤ちゃんの離乳食にも使われるようです。またハーブ、にんにくなどを加えたり、塩、こしょう、ワイン酢、オリーブ油で味を調えて食べることもあるようです。

モッツァレラ(Mozzarella)

低温殺菌された牛乳にレンネット(凝固剤)を加えて固めてできたカードを発酵させて作られます。発酵させたカードはお餅のように弾力があり、温めると伸びるようになります。よくピザやグラタンに使われる、あの伸びるチーズです。

成形するときに引きちぎってから丸めたりするので、そこから「引きちぎる」という意味のイタリア語”mozzare”(モッツァーレ)が名前の由来になっているそうです。

クセがなくミルクの甘みが感じられます。そのまま食べてもよく、スライスしたものにトマト、バジリコを合わせたインサラータ・カプレーゼと呼ばれるサラダは定番の食べ方です。

マスカルポーネ(Mascarpone)

生クリームを温めてからクエン酸や酢酸を加えて固め、布袋で水分を抜いてつくります。苦味の強いコーヒーやチョコレート、ブランデーなどと相性がよく、ティラミスなどのお菓子の材料として有名です。

フロマージュ・ブランに比べると酸味がなく、乳脂肪分が多いためクリームチーズに近いコクがあります。ジャムやフルーツといっしょに食べたり、塩気のあるハムなどと組み合わせると良いそうです。

ウォッシュタイプ

リネンス菌などの特殊な菌によって熟成されるチーズで、文字通り洗いながら熟成させてつくります。

厳重な温度管理のもと塩水やワインで洗うことで、雑菌の繁殖を抑えつつ、必要な菌だけが繁殖できるようにしています。適当に放置してできるわけではなく、とても手間がかかったチーズということですね。

使われる菌は、分解力が強く強烈な匂いを作り出します。この強烈な匂いで好き嫌いがはっきり分かれます。中には足の匂い(臭い?)に例えられる通な人向けのものもあるようです。

ただ匂いが強いのは表面の皮だけで、中はマイルドでまろやかな風味なことが多く、皮をむくと食べやすいです。

エポワス(Epoisses)

「ウォッシュチーズの王様」と呼ばれることもあり、チーズ通に絶大な人気があります。ワインの生産で有名なブルゴーニュ地方にあるエポワス村で生まれました。

乳酸菌で牛乳を凝固させた後、乾燥させ熟成させていきます。熟成の間、数日おきに塩水やマール・ド・ブルゴーニュ酒(ブルゴーニュワインの製造時にできるぶどうの搾りかすからつくる蒸留酒)で表面を洗います。

リネンス菌の働きで鮮やかなオレンジに色づいてくる表面はなめらかで少しシワができます。表皮は強い匂いを放つのですが、それは外側だけで中はトロトロになっていて、ミルクの甘みやコクが味わえます。

第二次大戦後に農家がなくなり絶滅寸前だったのですが、ベルトー社のロベール・ベルトー氏の情熱によって救われて今に至っているそうです。そんなベルトー社のエポワスチーズ(Amazonの商品ページ)がAmazonでも手に入ります。

モン・ドール(Mont d’Or)

フランスとスイスの伝統的なチーズで、Mont d’Orは「黄金の山」という意味です。製造することが許可される期間が決まっており、毎年8月15日から翌年の3月15日までの期間限定で生産され、9月10日から翌年5月10日まで販売されます。モン・ドール(Amazonの商品ページ)もAmazonで買えるようです。

熟成の期間を含めると、日本で店頭に並ぶのは早くても9月下旬になります。期間限定なだけあって値段もそれなりのものになります。

原料の牛乳を殺菌しているかどうかの違いはあるものの、それ以外の製造工程ははフランスもスイスも同じです。フランスでは無殺菌乳を使います。乳を凝固剤で固めた後、その側面にエセピア(もみの木の一種)の樹皮を巻いて形を整え、エセピアの棚で熟成させます。出荷するときもエセピアの木箱に詰めるので、エセピアづくしの変わった作られ方です。

クリーム色の表面の皮の下はトロトロになっていて、スプーンですくって食べます。熟成中、洗うのに使われるのが塩水だけなので、ミルク本来の旨味が楽しめます。そのトロトロを野菜やパンにつけて食べるのが、一番モン・ドールの美味しさが分かる食べ方だそうです。

ブードゥシュー(Boud’Chou)

フランス・アルザス地方産のチーズです。水で洗って熟成させるので、ウォッシュチーズ特有の強烈な匂いはなく、ミルクの風味や甘みが楽しめて子供でも食べやすいです。

中がスプーンですくうほどトロトロというよりは、ある程度固まっているチーズです。カットしてクラッカーに乗せて食べると美味しいです。ワインとの相性も抜群でおつまみにもぴったりです。

このチーズはカルディでも売っており、値段も手頃で比較的食べやすいので、ウォッシュチーズに初挑戦するのにうってつけのチーズです。牛の絵が描いてあってかわいらしいパッケージです。楽天でも出品しているようです。

白カビタイプ

表面が白くカビ覆われたチーズです。カビが生えているということに抵抗感を持ってしまうかもしれないですが、食べても大丈夫なカビなんです。このタイプは、チーズ独特のクセは控えめで、初心者にも食べやすいと言われています。

味はクリーミーでマイルドな風味ものが多いです。中でも脂肪分が60%以上のものはバターのようなコクがあり、それでもさっぱりとはしていて、比較的熟成の進んでいないものでも美味しく食べられます。

作り方は、カードと呼ばれるレンネットで固めた乳の表面に塩をつけ、そこへ白カビの元となるものを吹き付けてカビを繁殖させます。1週間ほどで表面が白くなります。熟成は外側から内側へ進み、さらに進むと表面に赤茶色の斑点も現れてきます。

食べごろは、押した時に弾力があって中もトロトロになっている頃です。賞味期限あたりになると匂いも強くなってきます。チーズの中でも食べごろが大切とされているタイプです。

日本のメーカーから販売されているものは殺菌がされているので、風味が変わることなく保存ができます。

カマンベール(Camembert)

日本でも製造されていてよくお店でも見かける白カビタイプの代表的なチーズです。チーズ特有の匂いもほとんどなく日本人に食べやすいと思います。クリームのようななめらかさ、チーズらしい若干のクサさ、バターにも近い濃厚さが味わえます。

お店で売っているのは殺菌処理されているものが多いですが、殺菌されていない本格的なカマンベールは自分の好きな熟成具合で食べることができます。一般的には、円形のチーズで中心から半径の1/3くらいのところまで白い芯が残っているくらいの熟成がちょうど良いと言われています。さらに熟成させて匂いが強くなったものは通向きです。

クラッカーに乗せたり、おつまみにするのも良いですが、料理のレパートリーを広げるのにもちょうど良いです。オーブンで焼いてフォンデュにしてウインナーや野菜をつけて食べるのもおすすめです。

青カビタイプ(ブルーチーズ)

白カビタイプと同様にカビで熟成させるものですが、表面に繁殖させるのではなく中から繁殖させるので、乳をレンネットで固めたあと、成形するときに青カビもいっしょに混ぜ込んでしまいます。この時点では当然青くありません。熟成させるとカビが繁殖して青くなったところがまだらに現れてきます。

白カビタイプは表面に繁殖させるので表面を塩水で洗うだけでいいのですが、青カビタイプは中で繁殖させるので濃い塩水を使って中まで塩分が行き渡るようにしてやる必要があります。そのため強い塩気が特徴のチーズです。

匂いも風味も強いものが多いです。また青カビによるピリッとする刺激も特徴で、食べる人を選ぶチーズかもしれません。

ロックフォール、ゴルゴンゾーラ、スティルトンの3つは三大ブルーチーズと呼ばれ大変有名です。

ロックフォール(Roquefort)

ロックフォールはフランス最古のチーズと言われ、羊飼いが洞窟に羊乳を置き忘れたことで偶然発見されました。最初に食べた人はすごいですね。

今でもその製法が厳格に守られ、洞窟で熟成させたものだけがロックフォールと名乗れるそうです。羊乳ならでは味わいと強めの塩気、青カビの刺激が合わさった特徴的なチーズです。

ゴルゴンゾーラ(Gorgonzola)

イタリアの代表的なブルーチーズです。ドルチェ(dolce)と呼ばれる種類のものは、ブルーチーズ特有の塩気、匂いが穏やかで甘みもあり、ブルーチーズの中ではマイルドで食べやすいチーズです。一方、ピッカンテ(piccante)と呼ばれるものは、青カビの辛味が強くパスタやリゾットのソースに加えることもあるようです。

スティルトン(Stilton)

イギリス(イングランド)原産のチーズで、ねっとりとしていて濃厚な口当たりとコクが楽しめるマイルドさに加え青カビの刺激も合わせ持っています。

クラッカーやパンに乗せて楽しむほか、ポルト・ワイン(ポルトガル産の甘味果実酒)と合わせたり、ブルーチーズソースとしてステーキにかけたりもするようです。

ロックフォールと同様、EUが規定する原産地名称保護制度により、ダービシャー、レスターシャー、ノッティンガムシャーの3州で決まった製法で作られたものだけがスティルトンを名乗ることができます。エリザベス女王が愛したチーズとも言われており、イギリスらしい格式高さも感じられるチーズです。

セミハードタイプ

作る過程で重しをかけて水分を38〜46%にまで抜いたチーズです。熟成の速度も遅く、時間が経っても味が変わりにくいです。味はクセがなくマイルド食べやすいので、日本でもよく食べられていてゴーダやマリボーは日本のプロセスチーズの原料によく使われます。

そもまま食べても美味しいですが、強烈な匂いはなく、クセもないので非常に幅広い料理に使えて、ピザやパスタ、ソースに混ぜたり、サンドウィッチの具にしたり、溶かして野菜にかけたりしても美味しいです。

ゴーダ(Gouda)

オランダの代表的なチーズで、オランダのチーズ生産量の半分以上をこのチーズが占めます。

海外では、表面をロウでコーティングして裸で積み上げた状態で売られていることも多いです。切り込みを入れて引っ張ると剥がせるようになっています。

プロセスチーズの原料としての需要も高く、またクセがないことから日本でも人気があり、よく親しまれています。

熟成が若いうちは、さっぱりとしたクリーミーさが楽しめます。熟成が進むと、タンパク質が分解されてできるアミノ酸の旨味とバターのようなコクも出てきます。セミハードチーズの熟成期間はたいてい1年ほどですが、このチーズは2年熟成させたものも出回っています。長く熟成させたものは表皮が黒くなってくるそうです。

ハードタイプ

セミハードタイプよりもさらに水分を減らしたチーズです。圧力をかけるだけでなく、菌が死なない程度に加熱もして水分を抜きます。含水率38%以下で、全ての種類の中で一番硬いです。

熟成期間も長く、セミハードチーズ以上に深い旨みと風味があります。そのまま食べるときは薄くスライスするとその旨みを存分に味わえます。お酒に合いますし、削ってパスタやグラタン、サラダにかけて食べたり、チーズフォンデュにすることも多いです。

アニメなどで出てくる穴の空いたチーズは、エメンタールというこのタイプのチーズです。熟成する中で発生する炭酸ガスによるものです。

チェダー(Cheddar)

イギリスを代表するチーズで、プロセスチーズの原料としても非常に有名です。オーストラリアやアメリカなどでも生産されており、世界で最も生産量の多いチーズになります。

製造の過程で、固めた乳(カード)を四角く切り分けて積み重ね、ひっくり返すという独特の工程があり、これをチェダリングと呼びます。

熟成が若いものは、さわやかな酸味があり、熟成が進むにつれて酸味に加え、濃厚な風味が増してきます。そのまま食べたり、サンドイッチに挟んでも美味しいですが、酸味が強い場合は熱を加えると和らぎます。ピザやグラタンなど料理に使いやすいチーズでもあります。

ラクレット(Raclette)

スイス原産のチーズで、「ラクレット」はフランス語で「削るもの」、「引っかくもの」という意味があります。炙って温めて溶けてきたところをナイフなどで削り取って料理にかけるのが伝統的な食べ方です。

「ラクレット」は、料理名でもあり、茹でたジャガイモに溶けたラクレット(チーズ)をかけただけのシンプルな料理で、チーズフォンデュと並ぶスイスの代表的な料理です。

「アルプスの少女ハイジ」で、暖炉でチーズを炙っているところが出てきますが、あれはちょうどこのチーズです。

木の実のような香りがしてそのまま食べても楽しめますが、やはり温めて溶かした方がより旨みと風味を味わえます。家庭でも、切り分けたチーズをフライパンで温めると簡単に伝統的な食べ方ができます。